私たちは2016年の11月、パリフォトの開催会期に合わせ、サテライト活動としてパリフォト会場近くのギャラリーでグループ展を開催しました。ひとつひとつが手探りでしたが、企画報告として残したいと思います。


なぜパリで展示するのか

作家の目標はさまざまありますが、展示活動は個人において単位であり大きな意味を持っています。それらの開催手段をみると日本はかなり充実している一方、ワンオブゼムになりやすいもの課題点ではないでしょうか。幾つか点在するコンペやイベントなども昨今では(国内における)歴史や知名度もそこそについてきて、そこに頼って自分がどうしたいのかもあやふやなまま、シンデレラストーリーに期待することも少なくありません。

それらを目標のひとつとするとともに、それ以外にも活動の場があるのではないだろうか。また依存するくらいなら自らが動き、視野を広げるアクションがもっとあっていいように考えています。

現状、写真におけるトップシーンはパリやニューヨークです。日本とそれを比べた時、名前が聞こえてくる作家とこれらからの作家とのギャップが大きく、日本特有の「ガラパゴス」現象をみることになります。海外に出ていく日本人作家や取り扱えるギャラリーも決して多くはなく、そもそもの出口も入り口も小さいのが現状だと感じます。
それであれば、既存の隙間にねじ込もうとするより、隣にちょっと穴開けて通せば良いのではないでしょうか?

自主的に海外で写真展を行う、ということはギャラリーや人との偶然つながりや、パリフォトという世界最前線の展示会が行われているなど、さまざまなきっかけを起こすことであり、パリやパリフォトそのものがスゴイとかそういう話ではなく、自分たちでまずはやってみれば良い、というシンプルな想いに基づいたものです。

来場者

土地勘も人脈もない環境ですので、まずはギャラリー常連の方々に協力もいただきながらの集客でした。
中には日本でも行われている国際的な異業種交流会が近所で開催されているということで、主催者にコンタクトをとり参加して宣伝して、そこから数人の来場・作品のご購入もいただいた、という展開もありました。

また、街頭でDMを手配りしてみる。実はパリに親戚がいる。など、各自思いつく手段を展開しながら奮闘してきたと思います。
その他にギャラリーにはフラッと入ってこられる方もあり、”日本人展”って書いてあったから、ということで興味を持って来場される姿も少なくなく、活動の起点をつくり人が集まってくる様子が新鮮に思えました。

言語の壁?

言葉の壁は大きな課題です。「英語は公用語だから」「今まで海外旅行が一通り出来ているのだから」と安易に構えていたのですが、中には英語でやりとり出来ないこともありました。ただ、今回展示したエリアや場所柄・人柄に救われた部分があるのでしょう、邪険にされることもなく、むしろ思っていた以上にフレンドリーに接してくれたように思います。

特に写真という非言語コミュニケーションでやり取りできることを感じるとともに、拙い(ある意味間違いだらけの)キャプションボードになにが書いてあるより、「自分はどう感じるのか」ということを真摯に考えてくれる姿が印象的でした。そして場合によっては日本語と英語の単語だけでも熱意をフォローすれば意外に伝わるものだと、そんな実感もありました。

もちろんその姿勢の背景には自分の中に明確なコンセプトや自信が存在することは必要なことです。現地に行った作家としては作品を前に対面することで自分の声でプレゼンできることにアドバンテージを感じ、「パリで展示をしてよかった」 という作家としての喜びもあったようです。

いずれにしても、「Hello」と声かけるのと「Bonjour」とまずは挨拶するのとではまったく印象が違う空気感があるので、もう少しフランス語でのやり取りできることに越したことはないだろうと感じました。

販売実績

最終的には

  • プリント販売‥12点 (販売価格帯€60~120)
  • 冊子形態の販売‥6点 (約€20)
  • 額装作品‥1点 (€330)
  • 印刷媒体に使う使用料として‥1点

初回かつアウェー環境での活動としてはまずまずの結果ではないかと思います。

文化の違い

どのような作品が買われたのか、みなさん非常に気になるポイントではないでしょうか。

今回の傾向を見ていると概ね風景的な描写が受け入れられていたように思います。一時注目されていたアイコニックな描写よりも、感情を投入できるような風景作品が買われていったと思います。パリフォトなどで展示されているものとはまた少し違って(来場者の傾向もきっと違うので)、ある種の「個人的趣向」により強く視点があったという印象です。

おまけ

フランス、パリ市内の観光地エリアはスリが少なからず発生しており、Web上には膨大な体験記や注意喚起がアップされています。滞在中は単独行動を取ることのが多かったですが、今回私たちはメンバー間で情報共有して警戒していたので、未遂1件、実害はなしです。

むしろ警戒しすぎて交通サービスでカジュアルすぎる制服スタッフをその手の輩と勘違いして怒らせたメンバーもいるくらいでした。
来年は、展示とともに観光ももう少し楽しもうと思っています。

来年の展望

一度行っただけの記念行動にするつもりはありません。今回の経験をさらに発展させるために来年も同じくパリフォトの会期に合わせてグループ展を行います。

この活動は長期的に展開していき、現地メディアやコミュニティに更なる認識をされることを目指します。また、今回の企画のインタビュー記事が2016年12月20日発売のPHaT PHOTO誌(vol.97 2017 1-2月号)に掲載されていますので、そちらも併せてぜひご覧ください。

2017年3月5日(日)

パリフォト・サテライト展示報告会
http://photo-nico.com/parisreport2016/

◯Photo Nico 2017も開催決定!

来年は改装明けの新・ルデコに戻ってきます!乞うご期待。
2017年2月 募集開始
http://photo-nico.com